■ワークショップのようす

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ガーナ&アフリカ・こどものあそび教室 〜アフリカンハートであたたかな冬の一日

2012年2月5日、東京・広尾のJICA地球ひろばにてガーナのわらべうたのワークショップを行いました。
募集要項はこちらでした。

プログラム

○セーセーセー (See See See)
○バンテマ・アクラクロ (Bantama Akrakro)
○24611
○オビアラ・イェウォノ(○○曜日うまれは?)

 この日の参加者は47名(こども24名、大人23名)、親子は18組で、内お父さんが4名、大人だけの参加者が2名いらっしゃいました。 また、ボランティア・スタッフはアフリカ人留学生を含む19名、見学の方を含めると、総勢68名で構成する大規模な企画となりました。 参加者の特徴としては、日本はもちろん、ガーナを中心としたアフリカ(ガーナ、ブルキナファソ、ナイジェリア、セネガル)のバックグラウンドを持つ親子のほかに、 今回はインドネシア、中国、アフロアメリカン、日本人だけれども英語話者、等、ここまで多様なバックグラウンドを持つ人々が集まりました。

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プログラムでは4つのガーナのわらべうたを取り上げました。

(1)「セーセーセー」は、日本の「おせんべやけたかな」と同じタイプのあそびで、なにか探し物をしているのだけどどこにもみつからないなあ!というような歌詞で、おにが一列に並んだ子どもたちのひざをたたきながら歌が止まったところで「アウト!」。最後に残ったひざの人が勝ち、というゲーム。

(2)「バンテマ・アクラクロ」は、「石渡しゲーム」というタイプのゲームで、これはアフリカ独特のものと思われます。 円を作ってしゃがみ、石を持って歌に乗せてに隣の人に石を置いてパスしていきます。 「バンテマ」はクマシという街の中にある地名で、軍隊の基地があるところです。「アクラクロ」はコロッケに似たスナックで、道端で揚げている光景がよく見られます。 この遊びはもともとバンテマの軍隊の基地で、兵隊さんが暇なときに生まれたあそびだと言われています。そのため、リズムが軍隊らしくとても規律のある一定のテンポを刻みながら石をパスしていきます。 石がちゃんと渡せなくてリズムからはずれた人が「アウト!」となります。

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(3)「24611」。これは手遊びで、数字の数だけ間に手をうちます。2回→4回→6回→1回→1回→2回→4回・・・。途中でつっかえた人がアウトです。これは2人でもできますし、大人数でもできます。

(4)「オビアラ・イェウォノ」。ガーナ・アシャンティ地方の言語・Twi語で「○○曜日生まれは?」という意味です。ガーナや近隣諸国の民族では生まれた日の曜日によって「曜日名」がつけられる習わしがあります。 輪になってしゃがみ、「日曜日生まれの人は、立って!」と歌いながら日曜日生まれの人は立ち上がり、各々好きな振り付けでダンスをしながら立ち上がります。これを日・月・火・・と進み、全員が立ち上がったら今度はまた「日曜日生まれはしゃがんで!」とダンスしながらしゃがんでいきます。 今回のワークショップでは輪にならずに曜日ごとにグループを作り、ダンス対抗戦にしました。日本ではこういったダンスを披露する遊びがなく、はずかしいと思う人が多かったのですが、○○曜日生まれの自分をみんなが「認めて」「誇りに思ってくれる」ということが、遊びを通して学べるよい例だと思います。 ちなみに、この日は自分が何曜日に生まれたかというのを調べて初めて知ったという人も多く、新鮮なようでした。

 休憩タイムにはアフリカ各地で見られるお盆を頭に載せたスタイルでおやつを配り、ガーナのカカオの実に触れたりカカオ農園のスライドを見るなどして過ごしました。 また、紹介したガーナの遊び(「24611」)を見て「こんなバージョンもあるよ」と言って実際に違う遊びを披露してくれたガーナ人のお父さんには大人もこどもも輪を作りました。

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 教室終了後も帰るのが惜しいようでいつまでも大人同士歓談したりこどもたちが自由に遊んだりしていましたが、 この場所がこのように初めて来る子だろうといつも来る子だろうと、また小さい子も大きい子も国籍も分け隔てなく「自然に」打ち解けられる場になったことは特筆に値することだと思います。 実際に「新しいともだちができた!」「また来たい!」という声がこどもたちから聞こえたのは本当に嬉しいことですし、大きい子が小さい子の面倒を自然に見ながら遊んでいる光景がありました。 また一方大人も同郷同士の限定された付き合いではない、国籍や立場を超えた人間関係を作ることができたことで、それぞれに新しくてポジティブな意識が生まれたように思います。

 今回遊んだあそび、参加したみなさんはお家に帰ってもぜひやってみてほしいと思います。
お家に帰って、ガーナ人のお父さんお母さんがいるおともだちは、もしかしたら「お父さんの知ってるのはこういうのじゃなくてこういうふうだった」等あるかもしれません。
それから、ガーナではなくてほかのアフリカの国や世界、もちろん日本でも、「あ、このあそび、似ているのがある!」というのがあるかもしれませんね。 実はわらべうたって、日本のもそうですが、ところ変われば少しずつ、あるいはまったく違っていたり、また同じだったり、しますよね。 ぜひ、そういうことも含めて、ご家庭でも、また普段のお友だちどうしでも、ぜひ遊んでみてください。

※(特活)アフリカ日本協議会事務局長の斉藤さん、埼玉県立大学の若林チヒロ先生はじめ、ボランティアの皆さん、アフリカンキッズクラブ企画運営メンバーのみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

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本ウェブサイトは日本学術振興会「平成23年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)奨励研究」研究課題「在日アフリカ系児童の文化継承の観点によるガーナのわらべうたの研究」により作成しています。

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